朗読劇「手紙 届かなかったラブレター」

TBスタジオ企画 ハイパーシステム朗読劇「手紙 届かなかったラブレター」を観てきました。
上演回ごとに異なる出演者で、私は初回の間天憑さん×木村翠さんの回を拝見しました。

広島の小学校で同級生だった少年と少女が、1950年代から1990年代までに交わした手紙が朗読されます。終戦間もない混乱の時期から60年安保、ベトナム戦争、国交正常化、沖縄返還、バブル経済・・・。
様々な職業を経て政治家になった少年と、舞台から映画・TVへと転身する女優になった少女を通じて、戦後を駆け足で追体験する純愛物語。
ときおり映像が映されるものの、朗読だけで感情を大いに揺さぶられ、静かな涙が流れました。素晴らしかったー。
コロナ禍で不安で落ち着かない今、これまでだってこんなに色んな事が起こっても乗り越えてきたじゃないかと、なんだか勇気をもらえました。

ところで、朗読者お二人の前に透明なアクリル板が設置してあって「コロナ対策?」と思っていたら、これこそが“ハイパーシステム朗読機”なのですね!

女の一生

大竹しのぶさん主演の『女の一生』(新橋演舞場)を観てきました。
素晴らしかったー、観れて良かったー!
とても感動したので1年10ヶ月ぶりにBlog更新してみます。

この作品は終戦直前の昭和20年4月初演だそうで、戦時下での上演と今回のコロナ禍での上演に何やら因縁を感じます。
私にとってこの作品は、演劇を学んだ文化学院で繰り返し繰り返し読んだ戯曲です。
『女の一生』の堤しず役を演じていらした北城真記子先生の授業で3年間、毎週『女の一生』と『驟雨』の2作品だけをひたすらずーっとやってました。
もうすっかり忘れていると思っていたのだけど、幕が上がるなり台詞が次々と頭に浮かんできてびっくり!
北城先生のダメ出しやお手本の声まで思い出して、終始ウルウルしながらの観劇となりました。
それにしてもこの芝居の台詞は、どれもこれも座右の銘になりそうな名言ばかりだわー。
杉村春子さんの『女の一生』も観ているのですが、今日の方が感慨深かったのはそれだけ私が歳をとったという事ね。

幕開きが1945年で、そこから主人公の布引けいが堤家に現れる1905年に40年遡るのですが、私が文化学院で『女の一生』に出会ってから今年でまさに40年(年がバレるー)という事にもなんだか因縁を感じずにはいられません。
と、勝手にいろいろこじつけてはみましたが、9ヶ月ぶりの劇場。
劇場に身を置く幸せ、演劇の力を改めて感じたのでした。

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